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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

ぐっすり眠っているはずなのに、日中ひどい眠気や倦怠感に悩まされていることはありませんか?
もしかすると、あなたは 睡眠時無呼吸症候群 と呼ばれる病気にかかっているかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。呼吸が止まる時間は数十秒から数分間にも及び、一晩に数十回以上繰り返されることもあります。
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome、SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に停止する病気です。
問題は、睡眠中の酸素不足や昼間の眠気などのストレスが、高血圧や脳卒中、心筋梗塞などの心臓の病気のリスクを高め、糖尿病や高脂血症と一緒に現れる可能性があることです。
最悪の場合これらの合併症により、突然死することもあります。
2000年の睡眠呼吸障害研究会の調査によると、無呼吸低呼吸指数が20以上の患者は、20未満の患者と比べて寿命が短いことが明らかになっています。
さらに、睡眠の質が低下することにより昼間の眠気が強くなり、集中力や記憶力の低下などさまざまな事故につながるリスクが増加します。
そのため正確な診断と、適切な治療を行うことが重要です。
このページでは、睡眠時無呼吸症候群について詳しく解説します。

睡眠時無呼吸症候群の病気の種類

睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸低呼吸指数(AHI) という指標を用いて重症度が分類されます。AHIは、1時間あたりの無呼吸や低呼吸の回数を表したもので、以下の3段階に分けられます。

  • 軽症:5~14.9
  • 中等症:15~29.9
  • 重症:30以上

AHIが高いほど、重症度が高くなります。

睡眠時無呼吸症候群の合併症

睡眠時無呼吸症候群は、単に眠気がひどいというだけでなく、高血圧、心筋梗塞、脳卒中 などの重篤な病気を引き起こすリスクを高めることが分かっています。
睡眠時無呼吸症候群の主な合併症は以下の通りです。

心血管系の病気

  • 高血圧:睡眠中に呼吸が止まることで、血圧が大きく変動し、高血圧のリスクが高まります。
  • 心筋梗塞:慢性的な低酸素状態によって、心臓の筋肉が弱くなり、心筋梗塞のリスクが高まります。
  • 脳卒中:脳への血流が途絶えることで、脳卒中を起こしやすくなります。
  • 不整脈:心臓のリズムが乱れる不整脈を引き起こすことがあります。
  • 心不全:心臓のポンプ機能が低下し、心不全になることがあります。

その他の病気

  • 糖尿病:インスリンの分泌が抑制され、糖尿病のリスクが高まります。
  • 脂肪肝:肝臓に脂肪が蓄積される脂肪肝のリスクが高まります。
  • うつ病:慢性的な睡眠不足や低酸素状態によって、うつ病を発症しやすくなります。
  • 認知症:脳への血流が低下することで、認知症のリスクが高まります

睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群には、大きく分けて 2つの原因 があります。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群

最も一般的なタイプで、のど が閉じてしまうことで呼吸が止まります。

  • 肥満:肥満の方は上気道やその周辺に脂肪がつき、喉や上気道が通常よりも狭くなるため、仰向けに寝ることで喉や上気道が塞がる可能性が高まります。
  • 頭蓋顎顔面形態:上顎や下顎のサイズや位置の異常、鼻腔が狭いなどの頭蓋顎顔面形態の特徴が影響を及ぼすことがあります。

中枢型睡眠時無呼吸症候群

脳から呼吸をする指令が出ないことが関係していると考えられています。
心不全や脳卒中、心房細動などの病気が主な原因です。
このほか、上記の2つの特徴が現れる「混合性睡眠時無呼吸症候群」もあります。

睡眠時無呼吸症候群の症状

「もしかして、睡眠時無呼吸症候群かも?」と思った方は、まずはご来院ください。

当院では、「ご自宅で」睡眠時無呼吸症候群の診断(検査)が可能です。

金銭的な負担が少なく(入院した場合の3分の1の価格)、お忙しい方にもご利用いただけます。パルスオキシメーターという時計のような機器を手首につけて一晩自宅で寝るだけの検査で、睡眠中に10秒以上の無呼吸が何回生じるか、また血中酸素濃度の低下が生じているかを調べます。
結果は機器の返送から数日後に当院に提供され、医師から結果説明をいたします。

検査や治療については下記ページをご確認ください。

睡眠時無呼吸症候群の検査

睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療法は、重症度によって異なります。

  • 軽症 の場合は、生活習慣の改善(減量、禁煙、運動など)が主な治療法となります。
  • 中等症 以上の場合は、CPAP療法 が行われます。CPAP療法は、鼻マスクを装着して持続陽圧呼吸を行う治療法です。
  • 重症 の場合は、外科手術が必要になる場合もあります。

いずれの治療法も、適切な指導のもとに行うことが重要です。 睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療によって改善することができます。
もし、自分が睡眠時無呼吸症候群ではないかと心配な場合は、医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群の治療―CPAP療法

先程のパルスオキシメーター検査の数値により治療の適応と判断された場合は、CPAP療法をおこないます。
CPAP療法はマスクから空気で陽圧をかけ、気道の閉塞を防ぐことによって、無呼吸を抑制する治療で、保険適用です。

CPAPを適用することで、脳梗塞・心筋梗塞などの心血管リスクや死亡率を下げることができると報告されています
減量や食生活の改善も並行して行うようにしましょう。

ご自宅でマスクをつけて寝ていただきます。マスクの形が合わない、空気圧が強すぎるなどあれば細かい調整も可能です。

CPAP療法導入の流れ

① CPAP導入の決定

上記の検査の結果、無呼吸低呼吸指数(AHI)が40以上であればCPAPの保険適応となります。

② ご説明

継続することが何より大切な治療です。導入直後は不快に感じることもありますが、最初は短時間しか使用できなくても徐々に慣れてきます。1ヶ月ほど続けられればあとは効果を実感いただける方が多くいらっしゃいます。
鼻につけるタイプや口につけるタイプなど様々あり、当院と提携しているメーカーから機器の調整などのサポートをお受けいただけます。

③ 定期外来受診・データ管理

月1回の外来通院が必要です。
定期外来では、治療の効果や装着状況などのモニターを行います。
CPAPの使用状況はデータ管理システムから医療機関側で把握できますので、受診時に医師から説明・指導をお受けいただけます。

睡眠時無呼吸症候群のよくある質問

Qいびきや日中の眠気以外に、睡眠時無呼吸症候群の症状はありますか?

Aいびきや日中の眠気以外にも以下のような症状が出ることがあります。

  • 倦怠感
  • 朝起きた時の口渇
  • 不眠
  • いらいら
  • 起床時の頭痛や体が重く感じる
  • 集中力や記憶力の低下

Q睡眠時無呼吸症候群の検査を受けるにあたって、何か準備することはありますか?

A 準備することは特ににございません。検査装置の着脱方法についてはメーカーよりわかりやすい説明書が送られてきます。

Q 検査結果はいつ頃わかりますか?

A 患者様が検査装置をメーカーに郵送してから約1週間後には結果が届きます。(結果説明のご来院は必ずご予約をお願いいたします。)

Q CPAP療法は、毎日どのくらい使用する必要がありますか?

A CPAP療法は、基本的に毎日、睡眠時間中ずっと使用する必要があります。
目標としては、1日4時間以上をCPAP療法に費やすことが望ましいとされています。

Q CPAP療法の副作用はありますか?

A マスクによる皮膚のかぶれ(マスクがあたる鼻・口まわり)、マスク周りの空気漏れによる不快感、口鼻の乾燥、鼻症状などがあげられます。
乾燥が気になる場合は、加湿器をつけたりすることで改善を見込めます。

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