禁煙外来
概要
禁煙外来(きんえんがいらい)は、たばこをやめたい方のための専門外来で、喫煙を「意志の問題」ではなく、医学的な治療が必要なニコチン依存症という病気として捉え、医療の力で禁煙成功を目指すものです。喫煙は心臓や血管、肺など健康全般に悪影響を及ぼし、生活習慣病やがんなど多くの病気のリスクを高めることがわかっています。禁煙することで将来的な健康リスクを大きく減らすことが可能です。2006年からは健康保険が適用できる治療として認められており、必要な条件を満たす方は保険診療で禁煙治療を受けられます。また、受動喫煙による周囲の方の健康への影響も避けられますので、ぜひ気軽にご相談ください。
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禁煙治療の対象となる方
- ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断された方
- 35歳以上の方で、ブリンクマン指数(1日に喫煙本数×喫煙年数)が200以上となる方
- 直ちに禁煙を希望し、禁煙治療について説明を受け、文書で同意している方
症状について
喫煙を続けると、以下のような体の症状や変化が起こることがあります。
- 朝起きたときの咳やたん
- 少しの運動で息切れしやすくなる
- 口臭・歯の黄ばみ
- 免疫力の低下で風邪をひきやすくなる
また、禁煙を始めようとすると次のような離脱症状(たばこをやめたときに現れるつらい症状)が出ることがあります。
- 強い吸いたい気持ち
- イライラ
- 集中力の低下
- 頭痛や眠気
これらは体がニコチンに慣れていたために起こる反応で、禁煙治療により軽くすることができます。(東京保険医療センター)
原因について
たばこをやめられない主な原因は、ニコチン依存(にこちんいぞん)です。
ニコチンは、たばこに含まれる物質で、脳に働きかけて「気持ちが落ち着く」「スッとする」と感じさせます。しかし、これは脳がニコチンを欲しがる状態=依存を作ってしまいます。そのため、
- ストレスがあると吸いたくなる
- 習慣として無意識に吸ってしまう
といった状態が生まれます。これは性格や意志の強さの問題ではなく、体の反応として起こるものです。専門の医師と一緒に治療することで、禁煙成功率は高まります。
病気の種類について
喫煙は単独で終わらず、次のような病気と深く関係しています。
- 肺がん、咽頭がん、食道がんなどのがん
- 心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)(肺の空気の出し入れが悪くなる病気)
- 動脈硬化(血管が硬くなる)
- 高血圧、糖尿病
喫煙によって体のさまざまな組織や器官がダメージを受け、病気のリスクが高まります。禁煙に取り組むことで、これらのリスクを減らすことができます。(東京保険医療センター)
治療法
禁煙外来では、約12週間(3か月)を1つの治療プログラムとして進めます。初回診察時に禁煙開始日を決め、計5回の通院で治療を行うのが標準的です。
ニコチンパッチ(貼り薬)
ニコチンパッチは皮膚に貼るタイプの薬で、少量のニコチンを体に補給することで、禁煙時の離脱症状をやわらげます。
- 使い方:毎日1回、二の腕や腹部などに貼ります
- 期間の目安:サイズの大きいパッチから小さいものへ変えながら、通常約8週間使用します
- 貼り方のコツ:毎日貼る場所を変えることで皮膚のトラブルを防ぎます
チャンピックス(飲み薬)
チャンピックス(一般名:バレニクリン)は飲み薬で、禁煙時の欲求(吸いたい気持ち)や満足感を抑える作用があります。
服用方法の例:最初の1週間は少量から始め、2週目以降は通常の量を1日2回、約12週間続けます。(健康日本21)
効果:離脱症状だけでなく、喫煙による満足感を弱める効果があるとされています。(KEGG)
診察・サポート
治療途中で通院しながら、喫煙状況の確認や薬の効果、副作用のチェック、禁煙を続けるためのアドバイスなどを行います。
最後に
禁煙は「我慢」ではなく、医学的にサポートを受けることができます。一人では難しくても、禁煙外来を利用することで成功率は大きく高まります。お気軽にご相談ください。
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