喘息
正式には気管支喘息といいます。
息をすうと肺に空気がとりこまれますが、その空気の通り道(気管支)が細くなってしまう病態です。
多くはアレルギーが関わっていて、アトピーとの関係も指摘されています。原因がはっきりわからないこともあります。
日本では、子供から大人まで幅広い年齢層で多くの方が発症しており、国民病の一つとも言われています。
喘息の症状
喘息の主な症状は以下の通りです。
- 咳: 乾いた咳や、痰を伴う咳などが特徴です。特に夜間や早朝に悪化する傾向があります。
- 痰: 無色透明のサラサラした痰や、白色の粘り気のある痰などが出ることがあります。
- 息苦しさ: 呼吸が苦しくなる、胸が締め付けられるような感じがするなどの症状が現れます。
- 喘鳴: 呼吸する際に「ゼーゼー」または「ヒューヒュー」という音が聞こえる症状です。
これらの症状は、アレルゲン(ハウスダスト、ダニ、花粉など)、運動、寒暖差、強い臭い、ウイルス感染など様々な誘因によって引き起こされます。
喘息の原因
喘息の具体的な原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因と環境的な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
- 遺伝的な要因: 喘息の家族歴がある場合、発症リスクが高くなります。
- 環境的な要因: ハウスダスト、ダニ、花粉、カビなどのアレルゲン、大気汚染、タバコの煙、ウイルス感染などが喘息の発症や悪化を誘発する因子となります。
近年では、衛生環境の向上や食生活の変化などが影響し、喘息の患者数が増加していると考えられています。
喘息の種類
喘息は、症状の持続期間や発症時期によっていくつかの種類に分類されます。
- 小児喘息: 乳幼児期から小児期にかけて発症する喘息です。思春期までに症状が改善するケースも多いですが、大人になってから再発することもあります。
- 成人喘息: 成人になってから発症する喘息です。小児喘息と異なり、アレルギー以外にも、運動誘発性喘息、非アレルギー性嗜好性喘息など、様々な原因で発症することがあります。
- 職業性喘息: 仕事場における有害物質の吸入によって発症する喘息です。
喘息の治療法
喘息は完治させることは難しい病気ですが、適切な治療によって症状をコントロールし、日常生活を送ることが可能です。治療のゴールは、咳やヒューヒューといった症状がでない状態を保つことです。
そのためには、使いつづけることで常にジワっと効果持続させるおくすり(長期管理薬)が欠かせません。
- 薬物療法: 気道炎症を抑える吸入ステロイド薬や、気管支を広げるβ2刺激薬などが主に使用されます。
- アレルゲン回避: ハウスダスト、ダニ、花粉などのアレルゲンをできるだけ避けることが重要です。
- 生活習慣の改善: 規則正しい生活、適度な運動、禁煙、バランスのとれた食事など、健康的な生活習慣を心がけましょう。
まとめ
喘息は、適切な治療と管理によって症状をコントロールし、日常生活を送ることが可能です。もし、上記のような症状がある場合は、医療機関を受診し、専門医による診断と治療を受けることが大切です。
喘息のよくある質問
Q.喘息(ぜんそく)の症状がよくなったら薬をやめてもいいですか
A.治療すると症状が楽になりますが、そこでお薬を中断しないことが大切なポイントです。
治療の中断により、悪くなってしまうケースがとても多いことが喘息の特徴です。
発作がでたときだけ、効きめのはやい吸入薬をつかうのは、正しい治療ではありません。
発作がでたとき用の吸入薬はあくまで「お守り」として持っておくもので、「発作を起こさないようにする」のが喘息の治療です。