アデノウイルス
アデノウイルス感染症は、アデノウイルスによって引き起こされる感染症の総称で、主に乳幼児や子どもに多く見られますが、大人にも感染することがあります。このウイルスは非常に感染力が強く、飛沫感染や接触感染を通じて広がります。
主な症状
アデノウイルス感染症の症状は、感染部位によって異なりますが、以下のような症状が一般的です。
咽頭結膜熱(プール熱)
発熱、のどの痛み、結膜炎(目の充血や涙目)が特徴。
夏季に流行することが多い。
急性上気道炎(風邪症状)
咳や鼻水、のどの痛みなど、一般的な風邪に似た症状が現れます。
胃腸炎
下痢や腹痛、吐き気などの症状を伴い、特に小児に多い。
流行性角結膜炎
強い目の充血、涙、目やにが主な症状で、高い感染力があります。
肺炎
重症化すると肺炎を引き起こす場合があり、呼吸困難や高熱を伴います。
感染経路
アデノウイルスは、おもに以下の経路で感染が広がります。
- 飛沫感染:咳やくしゃみを通じて空気中に拡散。
- 接触感染:感染者が触れた物や場所(ドアノブやタオルなど)を介して広がります。
- 糞口感染:胃腸炎の場合、便を介して感染が広がることがあります。
治療法
アデノウイルス感染症に特効薬はなく、症状を和らげる対症療法が中心となります。
- 発熱や痛みの緩和:解熱剤や鎮痛剤を使用します。
- 水分補給:下痢や発熱で体液が失われるため、十分な水分補給が必要です。
- 目のケア:結膜炎の場合、抗生物質入りの点眼薬を使用する場合があります(細菌感染の予防として)。
予防策
アデノウイルス感染症を防ぐためには、日常的な予防策が重要です。
- 手洗い:石けんと流水で丁寧に手を洗う。
- 共有物の衛生管理:タオルや食器類の共有を避ける。
- 環境の清掃:ドアノブやテーブルなど、よく触れる場所を定期的に消毒する。
- マスクの着用:飛沫感染を防ぐために着用する。
注意が必要な場合
以下のような場合は、医療機関への受診を検討してください。
- 高熱が続く。
- 呼吸困難や強い咳が見られる。
- 強い脱水症状(尿量の減少、口の渇き)がある。
- 目の症状が悪化し、日常生活に支障をきたす。
アデノウイルス感染症は一般的に自然治癒しますが、乳幼児や高齢者では重症化することがあります。予防策を徹底し、感染が疑われる場合は早めに医師に相談することが重要です。